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二川 正敏; 涌井 隆*; 井岡 郁夫; 衛藤 基邦
Journal of the European Ceramic Society, 20(8), p.1135 - 1143, 2000/05
被引用回数:5 パーセンタイル:44.86(Materials Science, Ceramics)材料の耐食性は腐食環境と接する界面の特性に支配される。耐食材料として期待される炭化ケイ素系セラミック、高ケイ素鉄合金は脆性を示すため、腐食表層部の特性が腐食後強度に大きく影響する。そこで、腐食表層の力学特性を微小押込み試験に有限要素法接触解析を融合させた手法により評価し、腐食表面に対する押込み荷重曲線の挙動と腐食様相、腐食後強度との相関を明らかにした。腐食環境はISプロセス工程内の沸騰濃硫酸であり、各種セラミック(Si-SiC, SiC, SiN, AlO, ZrO)曲げ試験片を最大1000時間浸漬した。腐食後強化を示したSiC、Si-SiC試験片表層には防食皮膜(シリカ)の形成が確認された。また、腐食後劣化を示したSiN, AlO, ZrO表層には、多孔質状の腐食層が形成された。これらの腐食形態の差異は微小押し込み試験から得られる押込み荷重-深さ曲線に影響し、その傾向を解析的に再現すると共に表層部の材料定数を決定した。さらに、押込み荷重-深さ曲線から評価した腐食層厚さと腐食前の破壊靱性値を用いることによって、腐食後強度劣化を評価できることを示した。
涌井 隆*; 二川 正敏; 田辺 裕治*; 衛藤 基邦
日本機械学会論文集,A, 65(640), p.15 - 20, 1999/12
熱化学水素製造ISプロセスの硫酸濃縮・蒸発工程で使用可能な容器材料及び皮覆材料として期待されるセラミックス材料(Si-SiC,SiN)に対して、沸騰濃硫酸環境中腐食後の腐食表層部の力学特性を微小押込み試験及び有限要素法による接触解析から評価した。これより、微小押込み試験から得られる荷重/押込み深さ曲線には、両材料の腐食形態の差異が反映されることを確認した。さらに、実験的に評価された曲線を再現できるように、腐食層の材料定数を決定する逆解析により、腐食層の力学特性を推定できることを示した。
西山 直紀*; 二川 正敏; 井岡 郁夫; 小貫 薫; 清水 三郎; 衛藤 基邦; 奥 達雄*; 倉部 誠*
材料, 48(7), p.746 - 752, 1999/07
熱化学水素製造ISプロセスの硫酸濃縮・蒸発工程で使用可能な容器材料及び皮覆材料として期待される、数種のセラミックス材料に対して沸騰濃硫酸環境における耐食性評価を行った。最大1000時間の沸騰硫酸中で浸漬試験を行った後に、質量変化、強度変化を調べるとともに、微小押し込み試験による腐食表層部の力学特性について調べた。その結果、(1)Si-SiC,SiCは防食皮膜として機能するシリカ皮膜の形成により優れた耐食性を示すこと、(2)腐食層厚さ及び皮膜厚さを微小押し込み試験により求まる力学特性変化点から評価できること、(3)SiN及びAlOの腐食後強度劣化を微小押し込み試験から得られた腐食層厚さと固有の破壊靱性値より非破壊的に評価できること、を明らかにした。